今回のラーメン道はちょうど2週間前に行われたFM KENTO主催のケント大学の講義「新潟ラーメン学〜東横編〜」を受けてきたのでそのまとめです。
まずケント大学について少し説明すると、FMラジオ放送やフリーペーパーの発行などを行っている(株)けんと放送が主催している元気な新潟街づくりを実行するための自主プロジェクトで、誰でも参加出来る市民講座みたいなものです。
登録すると提携店舗で割引される学割も使えるのが本当の大学みたいで楽しいですね。
そんなケント大学でラーメン学というカリキュラムがある事を知って、ラーメンを食べるのも作るのも好きな自分にはとても興味深かったのですぐに入学手続きをして受講申し込みをしました。
一週間くらいして受講が確定したというメールをもらってからは当日までかなり楽しみでした。
平成23年12月9日(金)いよいよ講義の日です、会場の駅南貸会議室KENTOに向かいました。

入口で授業料の500円を払って教室に入ります。

机にはスライドの資料とボールペンが準備されていました。
こういう雰囲気も久しぶりです。
まず学長から今回の講義の説明があって、次にFM KentoのAIR STAFFでもあるSWAMPさんがラーメン学開講までの経緯を説明してくれました。
そのあとラーメン学第一回目の教授、新潟味噌ラーメンの代表格「東横」から安部恭朗教授がいらっしゃいました。

講義を聞きながら飲んだりつまめるようにと味噌漬け味玉、メンマ、白髪ネギ、スープが用意されました。

さらにアツアツのチャーシューも。

スープはタレを入れる前のものが準備され、味噌ダレと醤油&塩ダレ(賄いでしか食べられないレアなものと言うのを講義後の懇親会で聞きました。)を入れてみるという貴重な体験が出来ました。

豚骨スープ

醤油&塩ダレ、味噌ダレ

ちなみに東横のラーメンのスープは豚骨スープで、おなじみの割スープで割っているわけでなく割スープはそれだけ別に準備しているという事を初めて知りました。
講義はまずお店の紹介から新潟ラーメン業界を取り巻く環境や裏事情等々多岐にわたっていて非常に楽しい講義でした。
それでは講義の内容についてのまとめです。
<東横の紹介>
1代目はこまどりで修行して昭和56年新潟駅南口のマンション1Fの食堂から始まった30年の歴史があるラーメン店で今回の教授でもある安部恭朗さんは2代目になります。
名前の由来等裏話もありました。
麺は9月から自家製化をしているそうです。
追加の一手間・・・以前の味からさらに一手間加えているそうです。
例えばメンマは以前は水煮メンマに味付けしていたものを塩蔵メンマを塩抜きしてから味付けするなどあらゆる面で進化しているそうです。
味噌は石山味噌というメーカーで作ってもらっていてこの点は昔から変わっていないそうです。
石山味噌で使われる味噌釜のサイズは500kgもあるそうです。
<新潟ラーメンとは?>
燕三条系極太麺背脂こってりラーメン・・・約42%程度の多加水麺が特徴。工場の多い地域で出前としてラーメンが冷めないように背脂を入れ、のびないように多加水の極太麺になった。
新潟あっさり醤油ラーメン・・・屋台から発祥した歴史のあるラーメンで代表敵なお店「三吉屋」の店主は現在3代目。回転を早くするために切り刃20番の極細麺を使っている。チェーン展開をしないその店その店の味がある。例えるなら家庭の味。
長岡生姜醤油ラーメン・・・チャーシューの煮汁を使い、チャーシューに塩分を取られ醤油の量が多くなるので色が濃くなる。生姜+獣(肉)系のラーメン。中〜多加水麺が使われる。
こまどり・東横系味噌ラーメン・・・こまどりからの出身者が多い。現在は多様化しているがこまどり系を新潟4大ラーメンの味噌と言っていいのでは。
ちなみに初め東横で使う割スープは「うすめスープ」と言っていたが、ラーメン界の神様石神秀幸さんが「割りスープ」と言ったため今では割りスープと言うようになった。
今までは新潟4大ラーメンであったが、最近は現在は5大ラーメンとなり三条カレーラーメンが追加された。
三条カレーラーメン・・・70年の歴史がある三条周辺のカレーラーメン。
他県では組合が県に1つあり、ジャンルが固定化されている。
それによりラーメンの固定化がある。(だいたいご当地ラーメンと言われるラーメンは県に一つ)
新潟はラーメン組合がないため多様化している。
ここ数年で発生したラーメンの会
「ラーメン親父の会」「112ずんどうの会」「長岡ヌードルクラブ」「日本ラーメン協会(新潟支部)」「新潟麺魂伝承会」「新潟ラーメン有志の会」
「新潟ラーメンはカオス」・・・客、店舗が切磋琢磨する環境にある。
<ラーメン業界の今昔物語>
昔はラーメン屋のオヤジは頑固と言うイメージから現在はチーム・仲間の時代。
マンガを例にとっても昔のマンガは師弟関係があり、仲間は増えない。今のマンガは師匠不在、昨日の敵は今日の友といったようにチーム・仲間が増える。
そこでラーメン親父の会では各店舗協力して月1〜2回ボランティアをしている。
1回で40〜300食のラーメンを色々な施設で提供している。
固形物が食べられない老人の多い施設では流動食用に各素材をペースト状にしてラーメンの様に盛りつけする所もある。
2011年11月に行われた東京ラーメンショーでは日本ラーメン協会(新潟支部)から派生した新潟麺魂伝承会(潤×東横×なおじのコラボ)が長岡・生姜醤油ラーメン「ネオジンジャーちゃーしゅう麺」を引っさげて出場した。
ちなみに秋田県には有名ラーメン店はないが比内地鶏をプッシュしていて県のアピールの場になっていた。→これを見て新潟を発信していきたいと思ったそうです。
<ラーメンと健康>
ラーメンに限らず同じものばかり食べれば不健康になる。
ラーメンから過剰なもの(脂質・糖質・タンパク質・塩分)を抜くと→まずい。旨いものを作るには必要。
「ラーメン(外食)は娯楽」
食事ではなくたまにがいい。
不足を補うように普段の家の食事をする。
野菜ラーメンは一見健康的のようだが油で野菜を炒めるのでそれほど健康的ではない。
<今後のラーメンについて>
しばらくは二郎系が続くのでは?
不況の背景、敷居が低い等の理由でコストパフォーマンスが高いラーメンが流行る。
メディアが強い。→結局のところトレンドは有名人が作る。
さらに当ブログは自作ラーメンのブログなのでそれに参考になった内容だけピックアップしてみます。
まずは基本的な事から。
<加水率>
小麦粉を100としての水の割合。
加水率40%は40ccの水を100gの小麦粉に加える。
<麺の切り刃の番手について>
数字が小さい方が太い。
幅3cmあたりに何等分出来るかで番手が決まる。
例えば、10番は幅3mmの麺になる。
<みそとスープの相性>
あっさり系・上品系スープ(あっさり魚介、鶏、清湯系)は出汁を強くとっても味噌に負けてしまう。
強い個性・強い主張のスープ(牛、他)は素材との相性次第。
濃厚なスープ(豚白湯、鶏白湯他)はコクと風味の相性がいい。
<スープ作り>
ゲンコツは5つの要素で組み立てられる。
肉の旨味・・・1時間くらいで出始める。
なんこつの旨味・・・3時間くらいで柔らかくなる。
髄の旨味・・・8時間くらいで骨を振って髄を出す。
骨の黒い部分の旨味・・・なんこつの下にある部分で8〜10時間くらい炊いたらガツンとかき混ぜるとスープがグレーになる。ざらみが出る。
骨の白い部分の旨味・・・呼び戻し等→「呼び戻し」とは、前作ったスープに新しいスープを少しずつ継ぎ足しながら作る技法。
通常の白湯は髄の旨味までで終わるが博多系のラーメンでは骨の旨味まで使う。
肉の旨味は長時間炊くとなくなる。
長時間の炊き込みは乳化→分離してしまう。
1時間沸かして1/3は清湯で取り除く、そして水を足しながらとろ火で1日炊く。
と、約90分の楽しい講義はあっと言う間に終わってしまいました。
完食です。

最後に東横3店舗で使える500円引き券を教授からいただきました。

今回授業料は500円でしたが有意義な講義が聴けて、ラーメンスープと具を食べてさらに割引券までもらってかなりお得な講義でした♪
講義のあとには懇親会もあり、講義では聴けなかったような詳しい内容も直接教授から聞けて3次会まで盛り上がりました。
次回のラーメン学の講義も楽しみです。
<今後のまとめ、課題>
今回の講義をふまえ、豚骨スープを6時間以上炊いてみたい。
鶏白湯味噌ラーメンを作ってみる。
これがラーメン道です。次回もお楽しみに!
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